休みの日、今日は粗大ごみを出しに行ってくれと家の人に言われた。
出すものはかけ布団と、等身大以上の大きさがある鏡、壊れたHDD、小さなテーブルである。
写真を撮っていればここに出せたかもしれないが、暑すぎて頭が回っていなかった。
リサイクルセンターは働いているドラッグストアを少し先に行った場所にあり、かなり格安で引き受けてくれる場所なので重宝している。
何度も行ったことがある場所でもあるので、こういった粗大ごみを出すときはお世話になる、私が出しに行くことが大半である。
家から出るときに忘れてはいけないものがある、それは耳栓だ。別に車を運転しながら耳栓をするわけではない、粗大ごみにガラスと鏡があるとき絶対必要になるものというだけである。
リサイクルセンターではゴミによっていろいろと手を加えなければいけないものがある、その中でも鏡とガラスは、砕いて指定の場所に入れなければいけない。
このガラスを砕く音がとにかく耳に来る音なので、耳栓がいるのだ。
そしてどうせ外出するんだったら買い出しもしようと思い、勤務先ドラッグストアにも寄ることにした。
お金がないから最初郵便局で金を下ろす、5000円もあればきっと何でも買えるに違いない、そう思っていたが、結果を先に言えば、そのお金は全部なくなった。
あまりにも衝動買いすぎである。
拍子抜け
リサイクルセンターにつくと、職員から支持を出される、鏡と布団以外は全部同じ場所だったらしくそのままポイポイとお兄さんが捨ててくれた。
そして指定された場所に行き、いざ鏡を砕こうとした。
「あ、その鏡はこのトラックに載せてっていいですよ」
最初何を言われたかわからなかったが、どうやら砕かなくてよくなったらしい。
そのすぐ横にはドラム缶が置かれて、鏡という文字と、ガラスという文字でわざわざ缶が分けられていたが、そのおじさんが言うにはトラックの上でいいということだった。
拍子抜けしたが、早く終わったと少し喜びながら生産を済ませる。
これだけ捨てて120円である、破格だ。
その足でドラッグスとアにも寄っていった、軍資金は5000円、そしてその日はやりたいと以前に言っていた、アイス持ち帰りの準備もしていた。
発泡スチロールに保冷剤をいれて車に載せていた。
そしていざ店に入る、3時ごろの店でも人は多い。
色んな棚を見ている、そして生鮮食品系を見ていると割引シールが張られたものがやけに多く感じた。
そして手なりにその割引品を取っていくのだ、これが散財の第一歩だろう。
飲み物を買っておかないとなと、普段は帰り際に持って帰るのはめんどくさいと避けていた段ボールの飲み物ケースを二つ買う。
ついでに酒も入れておこう、あとお菓子も結構気になっていたものもあるから入れておいて、そういえばシェービングジェルって気になってたから買おう、洗顔料もそろそろなくなるかもしれない。
そしてどんどんとかごの中はいっぱいになりつつ、最後の最後にアイスを買うことにした。
普段客が持ってくるアイス、自分が買うとなるとわくわくする。
普段は絶対食べないようなモナカ系のアイスを手に取り、かごの中へ、そんな感じを繰り返すこと7回、流石にお金が足りなく、いや、なるだろうか、なんだかんだ言っても5000円だぞ、もともと少し持っていたお金もあるからそんなにいっぱいになることもないだろうと。
レジへたどり着く。
「あれ、家風さん買い出しですか」
「まあ、ちょっとリサイクルセンター行った帰りに次いでと」
「お疲れ様です」
みんな顔見知りなので普通に話しかけてくる。仕事の日でもないが、こういう状況も嫌いではないくらい、今の仕事の人間関係は気に入ってもいる。
「お買い上げが、5100円になります。」
・・・・・?一瞬首を傾げた
「あ、あ―買いすぎたなー」
「ですよね、私も買物するとやっちゃいます」
共通の考えに店員の顔がほころんだ。
財布を見ると少しだけ小銭があったので何とか足りた。
真の誤算
車にカートでもっていき、発泡スチロールを取り出した。
そして首をかしげ、暑さではない汗が止まらなくなった。
徳用モナカの大きさが、発泡スチロールのサイズを凌駕していたのである。
ちなみに横だけのサイズなら、ipad airが入らないレベルである。
アイスを選んでいるうちに、そのわくわくな気持ちの前に、自分の頭の中から発砲スチロールのサイズが完全に消えていたわけである。
ほかのアイスも結構大きさがあり、用意した冷蔵装置はほぼほぼ無意味となった。だって入りきらないんだから。
板チョコみたいな薄いものは何とか入ったが、それ以外の有名どころのアイスや、さっき言った徳用モナカ、これらが全く入らなかったのである。
気温34度、悩む時間はない、車内は既に炎上している、時間をかければかけるほどアイスへのダメージは残る。
そして瞬時に導き出した答えは
全力で帰るだった。
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